最終更新日:2023年11月27日(月)
柿(甘柿)と干し柿の栄養の違いって??
立冬を迎え、寒さも厳しくなり、家々の軒下に柿がたくさん並んでいるのを見かけるようになりました。今回は今が旬の「柿」についておはなしします。甘柿はそのまま食べても美味しく、渋柿は干し柿にすると美味しくいただけます。見た目や味にも違いはありますが、実は「甘柿」と「干し柿」では栄養価が大きく異なります。
1個あたりの重さはおよそ150gと30g。干し柿は乾燥させるため水分の重さが無くなり軽くなります。
・1食の目安量 | 甘柿1個(150g) | 干し柿2個(60g) |
---|---|---|
・エネルギー | 95 kcal | 164 kcal |
・炭水化物 | 23.9 g | 42.8 g |
・カリウム | 226 ㎎ | 400 ㎎ |
・ビタミンC | 110 ㎎ | 1 ㎎ |
・β-カロテン当量 | 630 μg | 840 μg |
◎意外にもビタミンCが110㎎/個と豊富で(みかん:大3個分と同等!)、1個食べると日本人の食事摂取基準の1日の推奨量を摂取できます。しかしながら干し柿では水分とともに抜け、ほとんど残りません。
◎β-カロテン当量は干し柿のほうが多く、干し柿2個でトマト1個分程度含まれています。とくにβクリプトキサンチンが豊富です。
※エネルギーと炭水化物が多いので、糖尿病や肥満の方は摂取量に注意しましょう。また干し柿にはカリウムが多いため、腎機能が低下しカリウム摂取量を控えたい方は注意が必要です。
どちらの柿もそれぞれの美味しさがありますよね。違いを知り、より楽しんでもらえたらと思います。
ビタミンCやβカロテン(ビタミンA)は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。お肌の乾燥が気になったり、風邪を引きやすい冬には重要な栄養素ですね。また抗酸化作用をもつ栄養素でもあり、活性酸素の働きを抑える作用を持ちます。活性酸素は動脈硬化を起こしやすくする過酸化脂質を作り出したり、がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。人間の身体には、酵素によって活性酸素を抑える働きが備わっていますが、年齢を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少していきます。抗酸化ビタミンは、酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質のひとつとして注目されています。β-カロテンには活性酸素の発生を抑え、取り除く働きがあると言われており、ビタミンCは過酸化脂質の生成を抑える働きを持っていると言われています。
<参考文献>
日本食品標準成分表(八訂)2022年
日本人の食事摂取基準(2020年版)
厚生労働省 e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン