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医療法人青鳳会美摩病院

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最終更新日:2024年01月25日(木)

みかんの栄養

 「風邪予防にはみかん」「みかんといえばビタミンCが豊富」といったイメージを持たれている方も多いと思います。ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持だけでなく、体内にウイルスが侵入したときに戦う物質の生成促進や免疫細胞の活性化に関与していることから、免疫機能の維持に重要な栄養素です。みかんには、100gあたり35mgのビタミンCを含有しており、3個(約300g)で成人の一日のビタミンC推奨量を摂取することができます。また、みかんの白いすじにはビタミンCの吸収率を高めてくれる「ヘスペリジン」という成分を含んでおり、この成分は体内でのビタミンCの消耗抑制作用もあるため、効率的にビタミンCを摂取できます。

 またみかんの黄色は、βクリプトキサンチンなどのカロテノイドによるものです。カロテノイドには抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑える作用があります。特に、日本の温州みかんには、βクリプトキサンチンが豊富に含まれています。βクリプトキサンチンには、骨代謝の働きを助けることにより、骨の健康に役立つことが報告されており、一部の地域のみかんには機能性表示食品として販売されています。みかんの産地である静岡県の三ヶ日町で行われた研究では、血中のβクリプトキサンチンの値が高い人ほど、動脈硬化・脂質異常症・2型糖尿病などの生活習慣病の発症リスクや、閉経後の女性の骨粗鬆症のリスクが有意に低いことが報告されており、これらの予防効果が期待されています。

 みかんの一日の摂取目安量は2~3個です。とりすぎは、炭水化物やカリウムの過剰摂取にも繋がるので、既に糖尿病や腎臓が悪い方は摂取量にご注意ください。インスタグラムではその他の栄養素やみかんの種類について紹介しているので、こちらもぜひご覧ください

<参考文献>
日本食品標準成分表(八訂)2022年
日本人の食事摂取基準(2020年版)
上西一弘:食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第5版,女子栄養大学出版部,2022年
杉浦実:国産カンキツ類に多いβ-クリプトキサンチンと機能性食品の開発,化学と生物,日本農芸化学会,2017 年 55 巻 8 号 p. 566-572
ヘスペリジン研究会(http://www.ghes.jp/)

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