最終更新日:2025年10月02日(木)
豆腐の栄養(栄養室)
10月2日は「とう(10)ふ(2)」の語呂合わせから「豆腐の日」とされています。古くから日本の食卓に親しまれてきた豆腐は、体にやさしく、栄養も豊富な食材です。今回は、そんな豆腐の魅力についてご紹介します。
豆腐の種類
- 木綿豆腐→豆腐ににがりを加えて固めたものを一度崩し、木綿の布を敷いた型箱に流し込み、圧力をかけ水分を切って作ります。調理の際に味がしみ込みやすいのが特徴です。
- 絹ごし豆腐→直接型箱に豆乳とにがりをいれ、そのまま固めたもの。口当たりがよく絹のようななめらかな食感が特徴です。
- 充填豆腐→木綿豆腐や絹豆腐と異なり、直接容器に豆乳とにがりをいれて密閉してから加熱し固めて作られます。殺菌、消毒ができることから長期保存が可能です。栄養量は絹ごし豆腐と近いです。
- ●木綿豆腐と絹豆腐栄養素の違い
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木綿豆腐は、製造過程で水分をしぼるため、栄養分が圧縮されます。そのため、たんぱく質、カルシウム、鉄分が、絹豆腐に比べると2割程度多く含まれています。
しかし、水分をしぼることによって、ビタミンB群やカリウムが水分と一緒に流れ出してしまうため、ビタミンB1、カリウムは絹豆腐の方に多く含まれています。100gあたり 木綿 絹 エネルギー 73kcal 56kcal たんぱく質 6.7g 5.3g カルシウム 93㎎ 75㎎ 鉄 1.5g 1.2g ビタミンB1 0.09㎎ 0.1㎎ カリウム 110㎎ 150㎎ マグネシウム 57㎎ 50㎎ 日本食品標準成分表(八訂)より -
主な栄養成分
●植物性の良質なたんぱく質 -
豆腐のたんぱく質は、良質な植物性たんぱく質で、アミノ酸スコア(※)が100です。植物性たんぱく質は、血圧・体重・血中脂質・インスリン抵抗性などに良い効果を及ぼすことが多くの研究から報告されており、エネルギー摂取量に対する植物性たんぱく質摂取量の割合が多いほど、死亡リスク、特に循環器疾患死亡リスクが低下するといわれています。(*1)
*1:国立がん研究センター Sanjeev Budhathoki.et al,JAMA Intern Med. 2019 Nov 1;179(11):1509-1518. ※アミノ酸スコアとは
食品に含まれる必須アミノ酸を評価する指標で、スコアが100に近いほど体内でたんぱく質が有効利用されます。食品中のたんぱく質に含まれる9種類のうち、少ない必須アミノ酸があると、アミノ酸スコアは1番少ない必須アミノ酸に合わせて低くなり、体内のたんぱく質の利用に使われにくくなるため、アミノ酸スコアが100に近いほど良質なたんぱく質と言えます。 - ●ビタミンB1
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糖質の代謝に不可欠なビタミン。疲労物質の代謝にも関わっています。不足すると、乳酸等が溜まる、糖質はエネルギーに変換することが出来ず体脂肪となります。過剰に摂取しても排泄されます。不足するすると、脚気の原因になったり、エネルギー代謝に影響を及ぼし疲れやすくなる可能性があります。
- ●カルシウム
骨や歯の構成成分。また、筋肉が収縮するのに必要不可欠です。上限量を超える摂取が長く続くと、尿路結石などが起こることもあります。ビタミンDと一緒に摂ることで吸収を高めてくれます。
- ●鉄
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赤血球の成分であるヘモグロビンを構成。ヘモグロビンは肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に送ります。また、ミオグロビンの成分として酸素を筋肉に取り込む役割も担っています。植物性食品中の非ヘム鉄に比べて動物性食品中のヘム鉄の方が吸収されやすいです。ビタミンCと一緒に摂ることで、豆腐に含まれる非ヘム鉄も吸収を高めてくれます。
- ●大豆イソフラボン
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大豆に多く含まれるポリフェノールで、植物性エストロゲンとも呼ばれます。大豆イソフラボンは腸内細菌により、大豆イソフラボンアグリコンとなり、女性ホルモンと似たはたらきをします。具体的には、骨粗鬆症の予防効果、更年期障害等で起こる高血圧・コレステロールの抑制、循環器疾患のリスク軽減効果もあると言われています。また、乳がん、前立腺がん、胃がんの予防効果もあげられます。過剰摂取について、サプリメント製品には上限値が設けられていますが、食品は対象外となっています。
〔mg/100g〕( )内は平均値 豆腐の種類 大豆イソフラボン量 大豆イソフラボンアグリコン換算量※ もめん豆腐 32~56(40) 18~32(23) きぬごし豆腐 26~61(38) 15~35(21) 充てん豆腐 20~52(37) 12~29(21) 「豆腐の品質と衛生」2004年8月 独立行政法人国民生活センター)
※大豆イソフラボンアグリコン換算量は、農林水産省による試算値 - ●オススメの調理方法
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木綿:味がしみこみやすく崩れにくいため、煮物や炒めもの等火を通す料理におすすめ。【豆腐の卵あんかけ】ビタミンDが豊富な卵やえのき等と合わせてカルシウムの吸収率をup!

詳しい作り方はこちら ➡ 豆腐のたまごあんかけレシピ<1人前の栄養量>
エネルギー:163 kcal たんぱく質:9.5g 脂質:9.8g 食物繊維:1.78g カリウム:231.5㎎ カルシウム:83.75㎎ マグネシウム:53.5㎎ 鉄:1.88g ビタミンB1:0.14㎎絹:なめらかでやわらかいため、サラダや和え物、冷奴におすすめ。【ブロッコリーの洋風豆腐和え】 ビタミンCが豊富なブロッコリーと合わせて鉄分の吸収率をup!
詳しい作り方はこちら ➡ ブロッコリーの洋風豆腐和えレシピ<1人前の栄養量>
エネルギー:91kcal たんぱく質:5.3g 脂質:7g 食物繊維:2.64g カリウム:263.6㎎ カルシウム:68.4㎎ マグネシウム:37㎎ 鉄:1.08g ビタミンB1:0.12㎎ 食塩相当量0.42g
